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黒田博樹、三浦大輔……山本昌が感じた引き際の美学と、現役時代に「奮い立たてくれた」ふたりの投手

現役生活32年という偉業を遂げた山本昌が見る、ふたりのベテランの引退。

Q.DeNA三浦、広島黒田。ベテランの引退をどう感じましたか。

 彼らの引退に関しては、ただ率直に「お疲れさまでした」と敬意を表したいです。
 私は32年間も現役生活を続けさせていただきましたが、結局のところ「引き際」というのは自分にしかわからない部分だと思います。

 ただ、ひとつ言えることがあるとすれば、自分が思い描くパフォーマンスができなくなったことが大きいのではないかと思います。三浦大輔投手は「勝てなくなったから」と潔く引退の理由を述べましたし、黒田博樹投手は「9回を投げ切ることができなくなった」と言いました。私自身「ローテーション投手として投げられなくなった時が引退だ」と思いながら野球を続けてきましたから、それは共通している要素ではないでしょうか。

 みなさんのなかには、彼らの引退に納得がいっていない方もいることでしょう。三浦投手はベテランとして、チームの精神的支柱としてまだまだ続けられるかもしれない。黒田投手だって、シーズンで10勝を挙げ日本ハムとの日本シリーズでも好投した。それでも、ふたりは様々な経験を通じて、彼らなりの考え方を形成してきたわけですから、その決断を受け入れ、温かく見送ってあげることが一番かと思います。事実、ファンのみなさんはそうしてくれましたから、彼らも本当にうれしかったはずです。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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